【購入をやめた】ZANE ARTS YAR-2徹底解説|雨天動画を見て、初めての山岳テントには選ばないと決めた理由

登山

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ZANE ARTS(ゼインアーツ)の山岳テント「YAR-2(ヤール2)」を、僕はかなり本気で買おうとしていました。

公式サイトを見るたびに売り切れている印象で、再入荷通知も登録しました。

メールが届いたときは、普通にテンションが上がりました。2人用のダブルウォールで軽い。見た目もいい。しかもフットプリント付きで4万円台前半。

これ、普通に欲しくなる。

けれど、購入ボタンを押す前に、雨天でYAR-2を使っているYouTube動画を見ました。その動画を見て、僕は購入をやめました。

特に気になったのは、雨を受けた短辺側の生地です。生地が内側へ大きく寄り、寝たときに頭付近へ当たりそうに見えました。さらに、水濡れ、結露、雨の跳ね返りも気になりました。

最初に明記しておくと、僕はYAR-2を所有していません。実際に設営したことも、泊まったこともありません。

そこで、公式情報、取扱説明書、雨天で使った人の動画・記事、競合テントの現行仕様を調べました。この記事は使用レビューではなく、その調査をまとめた「購入判断記事」です。

都合のいい晴天レビューだけではなく、悪条件でどうなったかまで確認した結果、現在の僕なら買わない。その理由を、YAR-2のよさも含めて正直に整理します。

情報の分け方

  • 【本人の経験】再入荷通知を受け取って購入を検討したこと
  • 【メーカー公式情報】仕様・価格・注意事項
  • 【他者の実使用レビュー】動画や記事で確認できた個別例
  • 【編集部の分析】それらを基にした購入判断

※価格・仕様は2026年9月2日時点。個人の実使用例は、天候、設営地、張り方、個体などで結果が変わります。

結論:僕なら初めての山岳テントにYAR-2は選ばない

先に結論を言います。

YAR-2は軽量・安価で、かなり魅力的な山岳テントです。

ただし僕は、初めての山岳テントとしては選びません。雨天時の実使用例まで確認し、それでも特性を理解して選べる人向けだと思います。

YAR-2を「危険なテント」「雨漏りする欠陥テント」と言いたいわけではありません。確認した土砂降りの使用例では、使用者本人が「フライ生地そのものからの直接的な浸水はなかった」「ボトムも地面からの水を防いだ」と説明しています。

一方で、別の問題は実例として確認できました。具体的には、雨の跳ね返り、フライ内側から落ちる結露水、濡れた内壁を伝う水です。

さらに、短辺側が内側へ寄り、頭や足付近に触れる例もありました。

僕が山岳テントに求めたいのは、晴れた日の軽さだけではなく、天候が崩れたときに「ここで一晩過ごせる」と思える安心感です。初めての1張なら、多少高くてもmont-bellのステラリッジ テント2やアライテントのエアライズ2のような、長く使われてきた定番を選びます。

ただし、この結論はYAR-2のコストパフォーマンスを否定するものではありません。むしろ、最後まで迷うほど本当に安くて軽い。その長所から見ていきます。

それでもYAR-2はかなり魅力的

2人用ダブルウォールで最小950g

【メーカー公式情報】YAR-2の最小重量は950g。これはフライ、インナー、フレームのみの重量です。ペグ、ロープ、収納袋、フットプリントまで含む総重量は1,250gになります。

「1kgを切る」とだけ書くと実際に背負う重量を誤解しやすいものの、付属品込み1,250gでも、2人用・自立式・ダブルウォールとして十分軽い。1人で広めに使いたい人にも強く刺さる数字です。

1kg以下・1kg前後のテントを広く比べたい人は、1kg以下・1kg前後の登山用テントおすすめ5選も参考になります。

税込41,800円。フットプリントも付属

【メーカー公式情報】現行価格は税込41,800円です。発売初期の記事には39,800円と書かれたものがありますが、現在の公式価格とは異なります。

この価格にはフットプリントも含まれています。比較対象のステラリッジ、エアライズ、カミナドームはフットプリントが別売です。同じ条件へ近づけて考えるほど、YAR-2の価格の強さが分かります。

4万円は端金じゃない。けれど、国内で正規販売される2人用山岳テントとして見ると、かなり攻めた価格です。

DACポールと、山で使うための基本構造

【メーカー公式情報】ポールはDAC Featherlite NFL、直径8.7mm。2本を交差させるXフレームで、インナーをフックで吊り、上からフライを被せる自立式です。

上部・下部にベンチレーションを備え、上部は室内から開閉できます。長辺側の大きな入口、約45cmの前室、12本のVペグ、4本のダイニーマロープも付属します。

価格を抑えるために、ポールや付属品を全部削った製品ではありません。

デザインはやっぱり強い

これは好みですが、YAR-2の色とシルエットは魅力的です。スペックを調べる前から「欲しい」と思わせる力がある。僕も危うくそのまま買うところでした。

YAR-2の基本スペック

項目 YAR-2の公式仕様
価格 41,800円(税込)
定員 2人
構造 自立式ダブルウォール、インナー先行
床面サイズ 210×120cm(2.52m²)
高さ/前室 100cm/約45cm
最小重量 950g(フライ+インナー+フレーム)
総重量 1,250g(収納袋、ロープ、ペグ、フットプリント込み)
収納サイズ 直径15.5×40cm
フライ 15Dナイロンリップストップ、シリコーン・PU加工、耐水圧1,500mm
インナー 7Dナイロンリップストップ
ボトム 20Dナイロンリップストップ、シリコーン・PU加工、耐水圧1,500mm
ポール DAC Featherlite NFL、A7001、直径8.7mm、2本
ペグ/ロープ A7075 Vペグ×12/ダイニーマロープ2m×4
フットプリント 20Dナイロン、耐水圧1,500mm。標準付属
入口 長辺側1か所
対応 3シーズン

出典:ZANE ARTS YAR-2公式商品ページ、YAR取扱説明書 v1.01

床幅は120cmなので、2人なら単純計算で1人60cm。寝られる寸法ではありますが、荷物や壁との距離まで考えると余白は大きくありません。1人利用なら、重量のわりにかなり広いテントです。

僕が購入をやめた最大の理由は「雨」

【本人の経験】僕が購入を止めた直接のきっかけは、雨の中でYAR-2を使った人の動画でした。

晴天時の設営動画だけなら、おそらく買っていました。ところが山では、予報どおりの天気だけを選べません。山岳テントを買うなら、悪い条件でどうなるかも見ておきたい。

特に参考になったのは、次の2本です。

土砂降りの上高地で確認された水濡れ

camp willow「正直ここは弱かった…土砂降りの上高地で分かったヤール2の耐候性」は、2025年7月の上高地・小梨平で、土砂降りの一夜を過ごした記録です。

【他者の実使用レビュー】使用者は、フライの生地そのものが雨を通したわけではなく、ボトムから水が染み上がったわけでもないと説明しています。一方、次の現象を報告しています。

  • フライ内側に結露が発生し、雨や風の振動で水滴がインナーへ落ちた
  • 地面で跳ね返った雨が、フライ下端と地面の隙間からインナーへ届いた
  • 濡れたインナーを水が伝い、バスタブ内部に溜まった
  • 前室側では靴なども濡れた

大事なのは、投稿者がYAR-2を全否定していないことです。軽さや価格を評価し、特性へ対応できる人には魅力があるという温度感でした。

八ヶ岳5泊6日で見えた短辺側のたるみ

カコヤの山旅心地「ゼインアーツ『ヤール2』5泊6日使用レビュー【八ヶ岳】」は、複数日にわたり雨を受けたYAR-2の状態を紹介しています。

【他者の実使用レビュー】特に僕が気になったのは、短辺側の壁が内側へ大きく寄った状態です。身長170cmの使用者は、寝ると頭付近に触れて窮屈に感じたと説明しています。

また、動画では短辺側の白いインナー部分が濡れ、水が下の黒いバスタブ部分へ伝った様子も確認できます。

使用者は、雨後に緩んだストラップを締め直す、フライを低めに張るといった改善策を考察しています。ただし、完全に防げるとは評価していません。こちらの投稿者も、軽さと低価格を認めたうえで今後も使う意向を示しています。

つまり、「使えないから捨てた」という動画ではありません。特徴を受け入れる使用者のレビューを見て、それでも僕の初テントの条件には合わないと判断した、という話です。

「YAR-2は雨漏りする」と簡単に言えない理由

雨の日にテント内が濡れても、原因は一つではありません。

水の原因 今回確認できたこと 判断
フライ生地を直接透過 土砂降り例では「なかった」と使用者が説明 YAR-2は雨漏りすると一括りにできない
ボトムを下から透過 同例では防げていたと説明 床の水だけでボトム浸水とは断定できない
地面からの跳ね返り 複数の雨天例でインナー側面の濡れを報告 確認できた注意点
フライ内側の結露 水滴が振動でインナーへ落ちた例あり 外雨の直接浸水とは別
濡れた内壁を伝う水 バスタブ内へ水が入った例あり 水の入口と経路を分けて考える必要
サイトへの水流入 低い場所へ張り、強雨で水が集まった別の記録あり サイト選びの影響も大きい

【編集部の分析】YAR-2の雨を語るなら、「雨漏りした・しない」の二択では足りません。少なくとも確認した事例では、フライからの単純な漏水より、結露と跳ね返り、内壁を伝う水、たるみによる接触の組み合わせが問題でした。

耐水圧1,500mmという数字だけで「十分」「不十分」とも言えません。縫製、シーム処理、フライと地面の隙間、風向き、地面の水はけ、張力、経年劣化まで影響するからです。

一番気になった「雨で短辺側がたるむ」問題

YAR-2の公式ページには、かなり重要な説明があります。

【メーカー公式情報】フライはナイロン製で湿度によってたるむ傾向があるため、フライとインナーが接触しないよう、適切なクリアランスを取っているという説明です。接触すると結露が発生しやすくなるためです。

ナイロンが湿気を含んで伸び、張りが緩むこと自体はYAR-2だけの現象ではありません。途中でガイラインやコーナーストラップを張り直すのも、ナイロンテントでは一般的な対処です。

ただ、一般的な素材特性だから気にしなくていい、とは僕は思いません。

雨天動画では、短辺側の居住空間が明らかに小さくなり、頭付近へ接触したと使用者が説明していました。YAR-2は長さ210cm、高さ100cm。乾燥した状態のカタログ寸法だけでは、雨の日に横になったときの余裕までは分かりません。

張り直し、ガイラインの使用、水はけのよい平坦地、フライ下端を適切な高さにすることで改善は期待できます。しかし、どこまで解消するかは条件次第です。雨が強い最中に外へ出て張り直すことも含め、そこまで管理して軽さを取りにいくか。それが購入前の分かれ目です。

悪天候まで考えると、初心者には少し不安が残る

初めての山岳テントでは、設営そのものに慣れていません。

  • 風向きと入口の向き
  • 地面のわずかな傾斜と水の通り道
  • ガイラインを張る角度
  • 雨で緩んだ生地の再調整
  • 換気と結露のバランス
  • 濡れたテントの撤収と乾燥

そのため、こうしたことを現場で覚える段階に、薄手生地や短辺側のクリアランス、跳ね返りへの対策まで加わります。

もちろん、定番テントなら何も考えなくていいわけではありません。ステラリッジもエアライズも結露しますし、設営場所を誤れば水は流れ込みます。それでも僕は、最初の1張では、長年使われ、張り方や補修情報を探しやすく、店舗や修理窓口へ相談しやすい製品を選びたい。

YAR-2は「初心者には設営できないテント」ではありません。むしろXフレームで構造は分かりやすい。ただ、設営できることと、悪条件で特性に対応できることは別です。

YAR-2は3シーズン用。雪山テントではない

【メーカー公式情報】YAR-2は3シーズン用です。取扱説明書は、降雪時やジッパーが凍るような低温環境で使わないこと、台風・暴風雨では使わないことを明記しています。

これはYAR-2だけが弱いという意味ではなく、製品の用途を越えて使わないための重要な条件です。冬の低山で使った個人例が見つかっても、それを公式の適用範囲へ読み替えてはいけません。

積雪期まで1張で対応したいなら、ステラリッジの専用スノーフライ、エアライズの冬用外張り、4シーズンをうたうカミナドームなど、拡張を含めて比較するべきです。

ZANE ARTSは山岳メーカーなのか?

「キャンプの会社が作ったからダメ」と片付けるのも違います。

【メーカー公式情報・人物資料】ZANE ARTSは2018年、長野県松本市で小杉敬氏が創業しました。小杉氏は1993年に大手アウトドアメーカーへ入り、20年以上にわたって製品の企画・開発に従事しました。

人物資料によると、小杉氏は幼少期から登山やキャンプに親しみ、アルパインクライミングや沢登りも経験しています。

ZANE ARTSがキャンプ用テントやシェルターで広く知られるようになったのは事実です。YARシリーズは2024年に登場した、同社初の山岳テントシリーズと整理するのが妥当でしょう。

しかし現在は公式サイトに「MOUNTAINEERING」カテゴリーがあり、登山用品を正式に展開しています。開発者本人が山で試作・検証していることも取材記事で確認できます。

だから、「ゼインアーツは登山を知らない会社」という批判は不正確です。僕が見ているのは会社の出自ではなく、この製品の雨天実例と、自分が初テントへ求める優先順位です。

参考:ZANE ARTS会社概要、情熱大陸・小杉敬、YAMA HACKのインタビュー

YAR-2とステラリッジ2、エアライズ2、カミナドーム2を比較

比較条件をそろえるため、まず本体・フライ・ポールを含む主要重量と、付属品込みの公称値を分けました。メーカーごとに範囲が異なるため、完全な同条件比較ではありません。

項目 YAR-2 ステラリッジ テント2 エアライズ2 カミナドーム2
基本価格 41,800円 52,000円 60,500円 89,056円
YARとの差 — +10,200円 +18,700円 +47,256円
フットプリント 付属 別売5,700円 別売4,840円 別売8,360円
同条件に近い価格 41,800円 57,700円 65,340円 97,416円
主要重量 950g 1.28kg 1,550g 1,310g
付属品込み公称値 1,250g 1.49kg 約1.77kg※ 1,460g
床面 210×120cm 210×130cm 210×130cm 212×130cm
高さ 100cm 105cm 105cm 105cm
フライ耐水圧 1,500mm 1,000mm 公式記載なし 1,600mm
ボトム耐水圧 1,500mm 1,500mm 公式記載なし 1,800mm
シーズン 3 春〜冬※ 3※ 4
山岳テントとしての期間 2024年〜 長期定番 半世紀超のメーカー 2016年〜
フットプリント込み差額 — +15,900円 +23,540円 +55,616円
  • エアライズ2の約1.77kgは、本体+フレーム+フライ1,550gに、公式掲載のペグ・張綱約220gを加えた目安です。収納袋まで含む厳密な総重量ではありません。
  • ステラリッジの積雪期は専用スノーフライ、エアライズの冬季は専用外張りが必要です。
  • 価格・仕様は各社公式サイトで2026年9月2日に確認しました。ただし、耐水圧の数字だけで雨天性能は比較できません。

ステラリッジ テント2

本体35,000円とレインフライ17,000円で計52,000円。YAR-2との差は10,200円です。グラウンドシートまで加えると57,700円で、差は15,900円へ広がります。

YAR-2より重いものの、全国の店舗、修理サービス、補修情報、長く続く製品実績は、最初の1張では大きな安心材料です。僕ならまずここを基準にします。

エアライズ2

本体価格60,500円。YAR-2との差は18,700円で、「約2万円足して定番を買う」は基本構成なら現実的です。アンダーシート込みでは65,340円、差は23,540円です。

30Dフライ、40Dボトム、DACポールを採用。公式ページは耐水圧を数値掲載していないため、未確認の数字で比較しません。指定箇所へ付属シームコートを塗る作業も、購入前に理解しておきたい点です。

カミナドーム2

現行価格は89,056円。YAR-2との差は47,256円、フットプリント込みなら55,616円です。

これは「少し足せば買える」と言える価格差ではありません。4シーズン対応、独自の素材・構造、修理対応まで含めて別予算の候補として見るべきです。

定番3張をさらに比較したい人は、初めての2人用山岳テント比較記事もどうぞ。リンク先のmont-bell製品は本記事のステラリッジ テント2ではなく「ステラリッジ トレール2」なので、その違いには注意してください。

YAR-2は、本当に安い

ここは曖昧にしたくありません。

2人用、自立式、ダブルウォール、主要重量950g、DACポール、12本のペグ、ダイニーマロープ、フットプリントまで付いて41,800円。YAR-2のコストパフォーマンスはかなり高いです。

ステラリッジへ替えればフットプリント込みで15,900円高くなり、重量も増えます。エアライズなら23,540円高くなり、さらに重い。軽さと価格を最優先にするなら、YAR-2を選ぶ理由ははっきりしています。

薄い生地も、単なる手抜きではなく軽量化のための選択です。

公式は、シリコーン加工した15Dフライと20Dボトムについて、一般的な30Dナイロンを上回る引裂強度があると説明しています。

ただし、これはメーカーの強度説明です。擦れ、穴あき、経年劣化まで同じという意味ではありません。

それでも僕なら定番テントを選ぶ

【編集部の分析】僕が払う差額は、耐水圧の数字だけに対してではありません。

  • 長年の山岳使用で蓄積された情報
  • 初心者でも設営例やトラブル対処を探しやすいこと
  • 店頭で現物や張り方を確認しやすいこと
  • ポールや生地の修理窓口
  • 数年後も補修を相談しやすい安心感

もちろんZANE ARTSにも公式の修理・パーツ対応があります。YAR-2が修理できないという話ではありません。ここで比較しているのは、シリーズとしての市場実績と相談網の厚さです。

山で雨に降られた夜、短辺側が頭へ触れそうになったときに、「軽いから仕方ない」と納得できるか。僕は初めての1張では納得できないと思いました。

だから、現在の僕なら多少高くてもステラリッジかエアライズを選びます。4シーズンと軽量性まで必要で、予算を出せるならカミナドームを検討します。

逆に、YAR-2を選んでもいい人

YAR-2が合いそうなのは、次のような人です。

  • 3シーズンで使い、積雪・厳冬期には持ち込まない
  • 最小重量ではなく、総重量1,250gを理解しても十分軽いと感じる
  • 雨で緩んだナイロンを張り直せる
  • サイトの水はけや風向きを判断し、ガイラインを省略しない
  • 結露や跳ね返りを「即、雨漏り」と混同せず対処できる
  • 2人用を主に1人で広く使いたい
  • 薄手生地を丁寧に扱い、フットプリントも使う
  • 発売からの実績の短さより、軽さ・価格・デザインを優先する

すでに山岳テントを使った経験があり、軽量化のトレードオフを自分で判断できる人なら、かなり面白い選択肢です。

初めての山岳テントとしておすすめしにくい人

  • 悪天候時の管理にまだ自信がない
  • 雨の夜も内壁が頭や寝袋へ触れにくい余裕を優先したい
  • 2人で頻繁に使い、横幅の余裕も欲しい
  • 1張で積雪期まで対応したい
  • 少し重くても厚手の生地を選びたい
  • 店舗で相談しながら購入・修理したい
  • 売り切れを見ると、比較を終える前に買いたくなる

最後の項目は、まさに僕です。

「売り切れ」「再入荷」に焦らされなくていい

【本人の経験】YAR-2が気になっていた時期、公式サイトではいつも売り切れているように見えました。だから再入荷通知を登録した。そしてメールが届いた瞬間、「今買わないと、また逃す」と思いました。

スペックを冷静に比較していたはずなのに、在庫が戻っただけで購入理由が一つ増えたような気持ちになる。

でも、在庫が少ないことと、自分に合うことは別です。

4万円は端金じゃない。少し予算を足せばステラリッジやエアライズが見えてきます。逆に、軽さと付属品込みの安さを優先するなら、雨天動画まで見たうえでYAR-2を選べばいい。

再入荷メールが来た日は、決済の締切日ではありません。一度閉じて、晴天時ではなく雨の日の使用例を見る。総重量を確認する。比較対象のフライとフットプリントまで価格に入れる。その1日で、後悔する確率はかなり下げられます。

僕の場合、あの動画がなければおそらく買っていました。

まとめ|YAR-2は魅力的。でも僕は買わない

YAR-2は、軽さ、価格、付属品、DACポール、デザインを高い水準でまとめた山岳テントです。2人用ダブルウォールで総重量1,250g、フットプリント込み41,800円は、今見てもかなり魅力的です。

だからこそ、売り切れと再入荷通知で欲しくなる気持ちはよく分かります。僕自身がそうでした。

ただし、雨天の実使用例では、短辺側のたるみと頭付近への接触を確認しました。さらに、地面からの雨の跳ね返り、結露水の落下、濡れた内壁を伝ってバスタブへ入る水も確認できました。

これは「フライから雨漏りする」と単純化できる話ではありません。それでも、悪天候時の居住性を重視する僕には、見過ごせない情報でした。

YAR-2は軽量・安価で魅力的な山岳テント。ただし僕は、初めての山岳テントとしてはおすすめしません。雨天時の実使用例まで確認し、張り直しやサイト選びを含む特性を理解したうえで選べる人向けだと思います。

現在の僕なら、多少高くてもステラリッジ テント2かエアライズ2を選びます。

YAR-2を買うか迷っているなら、売り切れる前に急ぐのではなく、まず雨の動画を2本とも見てください。それでも軽さと価格が勝つなら、そのときは納得して選べます。


主要参照先